「地クラブって、本当に飛ぶんですか?」
「大手メーカーのクラブより、地クラブのほうが性能は上なんですか?」
GOLFWORKSでも、こうしたご質問をよくいただきます。
PING、TaylorMade、Titleist、Callawayといった大手メーカーの「市販クラブ」と、ゴルフ工房で扱うことの多い「地クラブ」。地クラブのほうが価格が高くなることも多いため、「高い=性能がいい」と思われがちです。
ただ、クラフトマン・フィッターの立場から言うと、答えはそれほど単純ではありません。
結論から言えば、地クラブだから良い、市販クラブだから悪い、ということはありません。大切なのは、そのクラブが使う人に合っているかどうか。これに尽きます。
そもそも「地クラブ」とは?
地クラブとは一般的に、大手総合メーカーではなく、比較的小規模なクラブメーカーやパーツメーカーが開発・販売しているヘッドやクラブのことを指します。
ヘッド単体で販売されることが多く、そこにシャフトやグリップを組み合わせ、長さ・重量・バランス・振動数・ロフト角・ライ角などを調整しながら一本のクラブに仕上げていきます。
つまり地クラブは、「完成品を買う」ものというより、「自分に合わせてクラブを作る」という考え方のクラブなのです。
市販クラブの良いところ
誤解のないようにお伝えしておくと、大手メーカーの市販クラブは非常に優秀です。
莫大な開発費をかけて、フェース構造、重心設計、空力、慣性モーメント、素材、さらにはAIを活用した設計まで、高度な研究開発が行われています。全国のゴルフショップで試打・購入しやすいのも大きなメリットです。
モデルの種類も豊富で、「つかまりやすいモデル」「低スピンモデル」「やさしいモデル」など、ゴルファーのタイプに合わせて選べるようになっています。
「市販クラブは大量生産品だから性能が低い」というのは誤りで、ヘッド単体の完成度はむしろ非常に高いレベルにあります。

それでも地クラブを選ぶ人がいる理由
GOLFWORKSが考える地クラブの最大の魅力は、細かく自分仕様に作れることです。
たとえばドライバーなら、同じヘッドでもシャフト次第でクラブの性格は大きく変わります。
- シャフト重量は50g台か、60g台か
- 調子は先・中・元のどれにするか
- 長さは45インチか、45.5インチか
- ヘッド重量は何gにするか
- バランスはD1か、D3か
こうした組み合わせによって、まったく別のクラブになります。既製品の中から選ぶのではなく、ゴルファーを見てから仕様を決められる。ここに地クラブの面白さがあります。(シャフトの重要性については「ゴルフクラブで最も重要な部品はシャフトです」でも詳しく解説しています)
「ヘッド」より「組み方」が重要なこともある
GOLFWORKSでは以前から、「クラブはヘッドだけで決まるものではない」と考えています。

同じアイアンヘッドでも、シャフトの重量や硬さ、番手ごとの重量フロー、振動数、長さ、バランス、ロフト角、ライ角が違えば、振り心地も球筋も変わります。
なかでもアイアンで重要なのがライ角です。どれほど高性能なヘッドでも、ライ角が合っていなければインパクト時のフェースの向きに影響が出ることがあります。(参考:アイアンのライ角が合っていないサインと調整方法)
高価なヘッドを選べば良いクラブになる、というわけではありません。「何を使うか」と同じくらい「どう組むか」が大切なのです。
地クラブなら必ず飛ぶ?
これもよくいただくご質問ですが、答えは「必ず飛ぶわけではない」です。地クラブに替えただけで、誰でも10ヤード、20ヤード伸びるということはありません。
ただし、今のクラブが合っていない場合は話が別です。
- シャフトが重すぎる、硬すぎる
- ロフトが合っていない
- スピン量が多すぎる
- クラブが長すぎる
- ヘッドがつかまりにくい
こうした問題を適正化すれば、飛距離が伸びる可能性は十分にあります。ただしそれは「地クラブだから飛んだ」のではなく、クラブが合ったことで、本来の力を発揮できるようになったと考えるのが正しいでしょう。
市販クラブが向いている人
- 気軽に買い替えたい
- いろいろな店舗で試打したい
- 好きなメーカーやブランドがある
- 最新モデルを使いたい
- 将来、中古で売ることも考えている
こうした方には、市販クラブがとても良い選択肢です。完成度が高く選択肢も豊富なので、しっかりフィッティングすれば市販クラブでも十分に自分に合った一本が見つかります。
地クラブが向いている人
- なかなか自分に合うクラブが見つからない
- シャフトまでこだわって選びたい
- 長さや重量を細かく調整したい
- クラブ全体の流れを整えたい
- 人と違うクラブを使いたい
- 自分専用のクラブを作りたい
こうした方には、地クラブは非常に面白い選択肢になります。
特にアイアンセットでは、5番からPWまで番手が変わっても、重量や振動数が自然につながっていることが重要です。単品の性能だけでなく、セット全体を設計できるのも工房でクラブを作る大きなメリットです。
GOLFWORKSが一番大切にしていること
GOLFWORKSは「地クラブのほうが市販クラブより上」とは考えていません。かといって「大手メーカーだから間違いない」とも考えていません。
一番大切なのは、その人に合っているかどうかです。
大手メーカーのヘッドにカスタムシャフトを組み合わせるのがベストな人もいれば、地クラブヘッドに市販シャフトが合う人もいます。純正シャフトのままで十分な人もいます。
「どのメーカーが一番飛ぶのか」よりも、「自分はどんなクラブなら振りやすいのか」を考えることのほうが、ずっと大切です。
よくある質問
Q. 地クラブは初心者でも使えますか?
使えます。地クラブは上級者向けというイメージがありますが、やさしいヘッドも多く、シャフトや長さを合わせられる分、むしろ初心者の方に合わせやすい面もあります。
Q. 地クラブは中古で売るときに不利ですか?
大手メーカーのクラブに比べると、中古市場での流通が少ないモデルもあります。将来の買い替えや売却を重視する方は、その点も含めてご相談ください。
Q. 今のクラブを活かすこともできますか?
はい。リシャフトやライ角調整、重量・バランス調整で改善できるケースも多くあります。
迷ったら「買う前」にご相談ください

クラブを買ってから「やっぱり合わなかった」となるのが、一番もったいないことです。
今お使いのクラブを確認するだけで、球がつかまらない理由、飛距離が出ない理由、アイアンの方向性が安定しない理由が見えてくることがあります。新しいクラブを買うことだけが答えではなく、シャフト交換(リシャフト)やライ角調整、重量・バランス調整だけで改善できるケースも少なくありません。
GOLFWORKSが大切にしているのは、「地クラブを売るためのフィッティング」ではなく、「その人に合ったクラブを見つけるためのフィッティング」です。
市販クラブが合っていれば市販クラブを。地クラブが合っていれば地クラブを。今のクラブが合っていれば、そのまま使い続ける。それでいいと思っています。
石川県野々市市のゴルフ工房GOLFWORKSでは、今お使いのクラブの診断からフィッティング、カスタムクラブ製作まで承っています。クラブ選びで迷っている方は、新しいクラブを買う前に、ぜひ一度ご相談ください。今使っているクラブを知ることから、本当のクラブ選びは始まります。
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